残された時間があとわずかと悟ったとき犬はガマンをヤメた。

エピソード

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我が家にはティアラという犬が居ました。

いつも用もないのに寄ってきて、『ナデテ~スリスリ~』撫でてもらうと気が済みます。

とても人懐こく、甘えっ子、いつもハッピー、とにかく元気。

良く言えば、とても陽気な犬でした。

でも、しつけはなかなか覚えない、散歩中でも突然走る。

悪く言えば、頭の中はお花畑のちょっとおバカ犬でした。

6歳の頃、後輩犬のココ(1歳前)が来ると、甘えることが少なくなりました。

甘えたい年頃のココにその役割を譲ったのだと思います。

ティアラは自然とココの母親か教育係になったのでしょう。

原っぱに走りに行っても必ずココを従えていました。

ココが野ウサギを追って逃げたときも追いかけて連れ戻そうとしました。

結果としては溝にハマって動けなくなっていましたが。。。

あるとき庭から外へ出るドアを工事業者が閉め忘れてココが脱走しました。

ティアラはすぐに追いかけて一緒に帰ってきました。

私は、ジャレて偶然一緒に戻ってきたと思って見ていました。

ドアを閉める間もなくまたココが逃げてティアラが後を追って連れて帰ってきました。

さらにココが逃げようとしたときティアラは激しくココを叱りました。

さすがのココもスゴスゴ家に入ったのです。

この一件で、これは偶然ではなくティアラはココの面倒を見て教育しているのだとわかったのです。

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ティアラはココに対してガウガウ怒ることがよくありました。

私はイジメているのだと思っていました。

ティアラは、いつも仕事部屋の入り口を塞ぐように横になっていました。

私は、いつも出入りに邪魔だなと思っていました。

ティアラはココが仕事部屋に入ってこようとすると睨んで入らせません。

意地悪で性格の悪くなったティアラだと思っていましたが、ココに仕事の邪魔をさせないように見張っていたのです。

それに気がついたのは電話でした。

私が電話で話していると、いつもティアラとココがケンカをして大きな声でガウガウしていました。

なので電話が終わると必ずティアラを叱っていました。

よく考えると私が電話で話し出すと必ずココが寄ってきてジャレていました。

ティアラはそれを叱っていただけなのです。

ティアラは、母として、教育係としての役割を果たしていただけでした。

そんなティアラが甘えたいのをいかにガマンしていたのか気づいたのは、悪性腫瘍で立ち上がることが出来ないほど弱ってからでした。

ティアラは衰弱して寝たきりの状態から上半身を起こすのが精一杯でした。

私の正面に寝かせていたので動けばすぐに気がつきます。

ティアラは上半身を起こして、ハァハァと荒い息をしながら私を見ます。

何かの用事か?

水が飲みたいのか?

アイスが食べたいのか?(アイスしか食べられなくなっていた。)

オシッコがしたいのか?

違いました。

撫でてあげると横になって寝るのです。

寂しくて甘えたくて撫でて欲しいだけだったのです。

寝たきりになった最後の1ヶ月間は、これを1日に何度も何度も繰り返しました。

ただただ甘えたかっただけなのです。

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ティアラはココが来てから6年間、母として、教育係として甘えたいのをガマンしていたのでしょう。

きっと旅立つ時期が近いのを感じて最後にほんの少しだけワガママを言ったのだと思います。

若い頃のティアラは、なんておバカな犬なのだろうと思っていました。

だけどティアラは、13年間一緒に過ごして犬と暮らす楽しさ、犬の賢さを教えてくれました。

思い出すとティアラのやっていたことには、いちいち意味があったのだと感心するばかりです。

私はティアラのお陰で犬は思っていたより遥かに賢いことがわかりました。

残されたココにも気づいてあげられることがあると思います。

小さなサインを見逃さないようにしたいですね。

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